「自分の事しか考えなくていい社会」の崩壊2011-10-13 Thu 06:30
悩める年金制度 マクロ経済スライド
2004年法改正では、給付と負担の見直しについては、最終的な保険料の水準を法律に規定し、その保険料の範囲内で年金給付を行うことを基本としました。また、「現役人口の減少(現役全体でみた保険料負担力の低下)」と「平均余命の伸び(受給者全体でみた給付費の増大)というマクロでみた給付と負担の変動に応じて、その現役世代の負担の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)の導入をしました。謂うならば、年金財政の長期的な安定のために、年金給付水準を調整することで年金財政の健全化を計ろうとしました。具体的には、年金額改定は、新規裁定者(68歳未満)は名目手取り賃金の伸び率によるスライド、既裁定者(68歳以上)は物価の伸び率によるスライドにより行われることとし、このため、これまでのように5年ごとの財政再計算は行わず、年金資金財源の財政状況を検証するため、少なくとも5年に一度、「財政の現況及び見通し(財政検証)」を行うこととしました。(初回は平成21年までに実施)また、年金財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合(財政均衡期間)においては、賃金や物価の変動と合わせて、少子化(公的年金加入者の減少)や高齢化(平均余命の伸び)といった経済情勢や社会情勢などの変動に応じて、給付の水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)が発動することになりました。マクロ経済スライドの発動による調整期間における年金額改定は、新規裁定者(68歳未満)は名目手取り賃金の伸び率(変動率)×スライド調整率、既裁定者(68歳以上)は物価の伸び率(変動率)×スライド調整率により行われる。ただし、現行制度では、マクロ経済スライドの自動調整は「名目下限額」を下回らない範囲で行うものとされています。 •スライド調整率=公的年金加入者の減少(0.9%)率+平均余命の伸び率(0.3%) •公的年金加入者の減少率=3年度前の公的年金加入者総数の変動率(3年平均) •平均余命の伸び率=65歳時の平均余命の伸び率(平均的な受給期間の伸び率は0.3%) •マクロ経済スライドの開始 今後おおむね100年間において財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合には、マクロ経済スライドの開始年度を定める。(現在、この開始年度は政令で平成17年度と定められている。) •マクロ経済スライドの終了マクロ経済スライドを行う必要がなくなったと認められる場合には、マクロ経済スライドの終了年度を定める。 つづく スポンサーサイト
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