悩める年金 国民年金3号被保険者
当時と比べ性別役割分担の形骸化、共働き世帯の増大、以前からあった働く女性からみた不公平感の増幅の中で、2012年の通常国会に法の改正を提出することとしました。
サラリーマンや公務員世帯の専業主婦は、保険料を支払わないのに基礎年金を受け取ることができる。この第3号被保険者制度には「専業主婦優遇だ」という批判がある。3号の保険料は年金加入者全体で負担しており、3号の夫の保険料だけでなく、共働きや単身者の分も主婦への年金の原資になっているからだ。政府・与党が6月に決めた社会保障・税一体改革成案でも見直しを求めている。
当初、厚労省は3号被保険者制度の見直しに向け、夫の保険料を増額したり、妻に保険料を求めたりする案や、妻の基礎年金を減額する案を検討していた。しかし、理解を得るのは困難だとみてこうした案は見送る一方、サラリーマンや公務員世帯の専業主婦が、夫が支払う厚生年金などの保険料の半分を払ったとみなし、夫が受け取る厚生年金などの受給額の半分を妻の基礎年金に上乗せする仕組みに改める方向で検討に入った。この制度の場合、夫婦合算した場合の年金給付額は変わらないため、年金の財政には影響はない。現行の制度でも離婚の場合には、最大で夫の年金の半分を妻が受取ることができるに似ている。ただ、この制度を導入すると、夫名義の厚生年金の年金額が半分になるため配偶者が死亡した場合の遺族年金の額が減る可能性が大きい。
つづく
スポンサーサイト