人は神でないのであるから瑕疵はある。行政の「無謬性」なるものは、傲慢と考える。そのためには、現実をあるがままに謙虚に受け止めなければならない。この度、国際原子力機関が来日し、日本の安全評価に関する審査の進め方についてお墨付きを与えた様に報道された。国際原子力機関は個別の原発の評価結果を審査したわけではなく、関西電力大飯原発3号機と4号機の再稼働を直ちに認めたわけではない。IAEAのジェームズ・ライオンズ調査団長も来日当初の記者会見で、「保安院が用いるストレステストの方法論が、IAEAの安全基準に合致するかをみるのであって、個々の原発がそれを満たしているかをみるわけではない」と指摘している。また、そのうえで「個別の原発の再稼働を許可するかどうかについては一切関知しないとし、あくまで日本国政府の責任だ」と、クギを刺した。ストレステストを巡っては、評価結果を「原発の再稼働の合否判定に用いるには本質的に無理がある」と主張する原子力の専門家がいる。ストレステストはあくまで、地震や津波など想定以上の事象に原発が襲われた場合、炉心溶融など過酷事故に至るまでにどのくらい余裕があるのかを評価するためのものだからだ。テストそのものに合否の判定基準という「物差し」は備わっていないとした。
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